カーボンポジティブ、カーボンネガティブ、カーボンニュートラル

バイオマスコラム

これらの言葉は何を意味するのでしょうか。カーボンニュートラルとは、発生する二酸化炭素と吸収する二酸化炭素とが同じ量であるということです。地球環境から見た場合、二酸化炭素は増えないという状態です。例えばバイオマスを燃やすと二酸化炭素が発生しますが、この二酸化炭素はバイオマスが成長過程で大気から吸収した二酸化炭素ですから、地球環境から見た場合、プラスマイナスゼロとなります。つまりバイオマスを燃料として使っても、二酸化炭素は増えないということです。

これに対応する言葉で、カーボンネガティブとか、カーボンポジティブというのがあります。発生する二酸化炭素のほうが、吸収する二酸化炭素よりも多い、あるいはその逆ということなのですが、色々なメディアを見ますと、どちらがネガティブなのか、どちらがポジティブなのか、いま一つ定義がはっきりとしていないようです。とは言え米国のマイクロソフト社が宣言しているように、「もっと二酸化炭素を減らす、あるいは二酸化炭素を発生させない」という意味で、「2030年までに、カーボンネガティブを目指す」というのは全世界が目指すべき方向だと思います。

たとえばバイオマス発電所を例にとりますと、バイオマス燃料は燃やしてもカーボンニュートラルなのですが、実際には燃やせば二酸化炭素を発生します。この発生した二酸化炭素を装置を使って回収してしまうとか、あるいはバイオマスから発生した二酸化炭素を意識して、その吸収源として植林をさらに進めていくなど、バイオマスを燃料として使用しながら、さらなる二酸化炭素の吸収に取り組むというのを是非検討したいと思います。