木質バイオマス燃料の品質規格

バイオマスコラム

木質バイオマス発電の燃料は、「木質バイオマス」と呼ばれる木質チップです。

「木質チップ」とひとことで言っても、伐採した生木の丸太や枝葉もあれば、木材加工品の残廃材、また建築現場から出た廃木材など、その品質や形状は多岐にわたっています。

不適切な品質の木質チップを発電に使用すると、発電効率を低下させたり、燃焼機器のトラブルや劣化の原因になったり、さらには環境汚染物質の排出増加といった問題を引き起こす可能性があります。

そこで2014年、「日本木質バイオマスエネルギー協会」が、国内における木質チップ品質規格を規定しました。木質バイオマス利用で先行する欧州の品質規格を参考にしつつ、小規模な燃料利用から大規模な発電利用まで、幅広い利用を想定して作られたものです。

◆燃料用木質チップの品質規格(日本木質バイオマスエネルギー協会)

この規格では、木質チップの品質を4つのクラスに分類し、上位クラスは下位クラスに包含される形になっています。クラス分けの判断項目には、「原料」「形状」「サイズ」「水分」「灰分」「環境リスク」などがあります。

そしてこれら各項目を記載した「品質表示カード」を、流通する木質チップに添付することで、生産者・利用者、燃焼機の設計・製造・流通業者など、木質チップに関わる全ての関係者の指針となり、適正な生産・流通・利用を促進する一助となります。

木質チップ品質規格の利用推進は、木質バイオマス発電の安心・安全な発展のために必要不可欠であると言えるでしょう。