石炭バイオマス混合燃料とは

バイオマスコラム

「石炭バイオマス混合燃料」とは、石炭に木質などのバイオマスを混合した燃料のことを言います。近年、この石炭バイオマス混合燃料を使用した火力発電に、大きな注目が集まっています。

CO2削減が地球的課題となって久しい中、石炭火力発電はCO2排出量が大きく、「環境に悪い」発電方法です。しかしながら発電量全体における石炭火力発電の割合はいまだに高く、日本が約34%。中国は約73%、インドは約75%、米国で約40%となっています。

いまだに、石炭が発電の燃料として用いられ続ける理由としては、

・石油など他の化石燃料に比べて産地が分散しており供給の安定性が高い

・化石燃料の中でも埋蔵量が豊富で、石油や天然ガスの2倍とも言われている

・価格が安定しており、経済性に優れている

などが挙げられます。

今後ますます増大すると予想される世界のエネルギー需要に応えるために、石炭火力発電は、まだまだなくてはならない発電方法なのです。

そこで注目を集めているのが、「石炭バイオマス混合燃料」です。

木質などのバイオマスと石炭を混焼して発電を行うと、石炭だけの燃焼時に比べ、CO2の排出量を減らすことが実証されています。また、バイオマス専用の発電所を新たに作るには膨大なコストが必要ですが、石炭との混合燃料なら、既存の石炭火力発電所を活用できる点も大きなメリットです。

日本は、石炭のほぼ全量を輸入に頼っています。限りある化石燃料の有効活用とCO2削減の観点からも、石炭にバイオマスを混ぜる「石炭バイオマス混合燃料」は、今後いっそう需要が高まることが予想されます。