プラスチックゴミの燃料化についての課題と今後

バイオマスコラム

プラスチックゴミを燃料化して発電事業の燃料として使用する考えは、これから本腰を入れて取り組み開始しようという段階です。

現在はプラスチックを含むゴミはRPF(REFUSE PAPER AND PLASTIC FUEL)というペレット状に加工され、おもにボイラー燃料に使用されています。どちらかと言うと「ゴミ化した紙やプラを廃棄物として埋め立て処理するよりは、なんとか有効活用しよう」という発想です。

しかしRPFを本格的に発電用燃料として使った実績はありませんし、使おうという考えもいままでは無かったと思います。ところが廃棄プラスチックが年々増加している問題や、ペットボトルやプラスチックが海洋汚染を引き起こしたり海洋生物の生態系に悪影響を及ぼすまった無しの事態に至ってしまいました。

今まではペットボトルや、製紙用に使われていた回収古紙などは、中国に輸出されていたのですが、同国の廃棄物輸入規制により2020年より中国には輸出できなくなったことから、ますます日本にてプラスチック系の廃棄物の処分に困る事態となっています。プラスチックやペットボトルは回収してリサイクルして再利用は可能なのですが、再利用では絶対量は減りません。日本では埋め立てにも用地の限界がありますし、そもそも埋め立てでは「問題の先送り」に過ぎません。

そこで、プラスチックゴミを発電用燃料として使ってしまい、廃棄物の循環を断ち切るのも一つの考え方だと思っています。もちろんプラスチックは化石燃料の石油を原料としていますので、再生可能エネルギーには該当しませんが、たとえばバイオマス発電のFIT認定設備で、使用燃料の10%をプラスチップ由来の燃料としてバイオマスと混焼した場合、発電量の10%は「非バイオマス由来」として総発電量から差し引いて計算するなどの方法が考えられると思います。実際に石炭とバイオマスの混焼発電を行っている事業では、石炭割合に相当する発電量はFITから差し引いていますので、理論的には同じ考えの適用は可能だと思います。