バイオマスタウン構想

バイオマスコラム

「バイオマスタウン構想」とは、地域関係者が連携してバイオマスの発生から利用までを最適なプロセスで結ぶ総合的なシステムを構築し、安定的かつ適正にバイオマス利活用が行われることを目指すシステムビジョンです。

構想策定で地域が一体、関係府省、都道府県も情報共有

構想書は、市町村が中心となって作成します。構想を策定することで、バイオマス供給者と利用者(地域住民)が一体となり、同じ目標を共有する意義が生まれます。関係府省、都道府県においても同様の情報が共有され、関係府省が進めるバイオマス事業の支援を受けることで取組み易くなるという利点もあります。「バイオマスタウン構想」では、域内の廃棄物系バイオマスを炭素量換算で90%以上、または未利用バイオマスを炭素量換算で40%以上利活用することが求められています。

出典:バイオマス情報ヘッドクォーター

2004年8月、「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)により「バイオマスタウン構想」の募集が開始されました。策定されたバイオマスタウン構想書は、内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省で構成される「バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議」で基準に合致しているか否かを検討された後に、当該地区がバイオマスタウンとして公表されています。

2006年には目標値を変更するも、政策評価では改善勧告

2006年には「新たなバイオマス・ニッポン総合戦略」として2010年までのバイオマスタウン目標「500地区程度」は「300地区程度」に見直しが行われながらも、国による積極的な支援策が講じられてきました。

しかし、2011年、総務省の政策評価の結果、バイオマスタウン構想に掲げる取組(785項目)のうち、構想どおりに実施されているものは277項目(35.3%)にとどまり、また、目標の達成度を測るバイオマス利用率の変化について、全てのバイオマス原料を把握しているのは90市町村中15市町村(16.7%)にすぎないとのことで、同総務省より関係府省に改善勧告が行われました。

「バイオマス産業都市構想」はバイオマスの産業化に力点

2013年からは、バイオマスタウン構想を発展させたバイオマス産業都市構想がスタート。バイオマスタウン構想同様、関係7府省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が共同で地域を選定します。バイオマスの産業化、バイオマス利活用による経済的自立に力点が置かれており、取組の主体も、地域の実情に応じて、市町村単位、都道府県との共同体、あるいは民間団体等との共同体のいずれも可能となっています。選定された地域は、選定の翌年度から5年間、構想の取組状況等を報告することが求められます。 バイオマス産業都市は2020年9月現在、累計90市町村が登録されています。

バイオマス産業都市についてhttps://www.maff.go.jp/j/shokusan/biomass/b_kihonho/pdf/h27_sangyou.pdf