バイオマスプラスチックとは

バイオマスコラム

「バイオマスプラスチック」は、生物由来の資源を利用して生成されたプラスチックです。     日本政府は、2030年度のバイオマスプラスチック導入目標を197万トンと掲げています。

「地球温暖化対策計画」(2016年5月閣議決定)、「第4次循環型社会形成推進基本計画」(平成30年6月閣議決定)

 

バイオマスプラスチックへの期待

化石燃料由来のプラスチックは分解されにくく、微細化した「マイクロプラスチック※」が海洋中の生態系に悪影響を及ぼす懸念が指摘されています。バイオマスプラスチックは、このマイクロプラスチックの削減に加え、CO2排出量の削減効果も期待できます。                    一般プラスチックの代替としてバイオマスプラスチックへの期待は高く、世界中で今後の将来の需要の拡大を見込み、広範囲な分野で製品開発が進められています。

 

2020年現在、バイオマスプラスチックのうち、日本でも開発が進められているバイオポリエチレンテレフタレート(PET)の主な製造企業は、タイ、韓国、台湾などです。バイオPETは石油由来のモノエチレングリコール(MEG)を植物由来のMEGに置き換えたもので、この大々的な商業生産を行っているのはインドの企業です。

また、バイオポリアミド(PA)は、主にフランス、ドイツ、オランダ、米国の企業が、バイオエタノールから製造されるバイオポリエチレン(PE)はブラジルの企業が製造しています。また、中国の企業も、ポリ乳酸(PLA)の製造を行うなど、自国のバイオマス資源の活用に大きな期待を持つ国々が、プラスチックの製造、供給に興味を持って積極的に取り組んでいます。(出典:日本バイオプラスチック協会/吉田正俊「バイオプラスチックの開発と展望」)

※マイクロプラスチックには、洗顔料・歯磨き粉等のスクラブ材等に利用されているマイクロサイズで製造された「一次的マイクロプラスチック」と、大きなサイズで製造されたプラスチックが自然環境中で破砕・細分化されてマイクロサイズになった「二次的マイクロプラスチック」があります。(出典:環境省

 

バイオマスプラスチックの主要用途

原料のバイオマスはトウモロコシなどの穀物資源、サトウキビ等から取り出される糖類及びトウゴマ等の植物油類が主体です。これらの原料や製品の重量のうち25%以上がバイオマス由来であればバイオマスプラスチックと認定されます。2020年現在、日本では、主に次のような用途に使用されています。

  • 食品容器包装、レジ袋、ゴミ収集袋
  • 非食品容器包装
  • 衣料繊維
  • 電気、情報機器
  • OA機器
  • 自動車

グリーン購入法特定調達品目の指定は?

グリーン購入法特定調達品目には、バイオマスプラスチック製の窓付き封筒(窓フィルム部分)、ファイル(クリアホルダー)、OHP フィルム、メディアケース(FD、CD、MO用)、OAフィルター(枠あり)、記録用メディアなどが指定されています。