RE100 (1)~RE100とは~

バイオマスコラム

RE100 プロジェクト (RE100 project) は、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が参加する国際ビジネスイニシアチブです。

今後の企業経営の重要な要素となってくるこの動きは、近年、世界で、そして日本でも活発化してきています。

パリ協定前に始動した産業界イニシアティブ

RE100の名称は、「Renewable Energy 100%」の頭文字をとったもの。

世界中の企業や政府のリーダーと協力して気候変動に取り組む国際環境NGO「The Climate Group(TCG)」が2014年に開始しました。

The Climate Groupは2004年、当時の英国ブレア首相の支援を受けて英国ロンドンに設立され、今では、英国の他、米国、インド、中国、香港などの支部を置き、世界中から数多くの企業や州政府、市政府が参画しています。The Climate Groupが、国連総会の時期に合わせ毎年9月に開催している年次報告会が「Climate Week NYC」です。2014年の「Climate Week NYC」の中で、RE100プロジェクトが発足しました。

その後、2015年にフランスのパリで開催された「国連気候変動枠組条約第21回締約国会議」の気候変動に関する国際条約にて2つの目的が採択されました。1つは、協定全体の目的として、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して「2℃よりも十分に低く」抑えること(2℃目標)、もう1つが「1.5℃に抑えるために努力する」こと(1.5℃目標)です。

しかし、パリ協定発効の2016年に、米トランプ政権はパリ協定からの離脱を宣言します。この前後より気候変動対策は、国が主導する時代から自治体、産業界、学界、投資家、NPOなども含めた多様なプレイヤーが参加する取り組みへと移行し始めていました。

そして、産業界が率先してイニシアティブ(主導権)を持つべきだとして生まれたのが、パリ協定に先駆けて設立された気候変動イニシアティブ「RE100」だったのです。

世界の284社が、日本企業も46社が参加

RE100 はThe Climate Group がCDP (Carbon Disclosure Project)※1とのパートナーシップのもとで主催しています。また、We Mean Business※2 連合の一部としても運営されており、日本では2017 年4 月より日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が地域パートナーとして、日本企業の参加を支援しています。

※1 CDPは、企業の気候変動問題への取り組みや、温室効果ガ排出量の算定・管理の状況について調査・評価・公表している国際非営利団体。

※2 We Mean Businessは、気候変動対応を推進する国際機関やNGOなどが構成メンバーとなって2014年に設立された国際非営利団体。

2020年12月現在、世界284社が加盟、うち、日本企業は46社が参加。RE100加盟社は、事業活動において使用するエネルギーについて、100%再生可能エネルギーへの転換期限を設けた目標達成計画を立て、事務局の承認を受けなければなりません。また、毎年の報告書が義務付けられています。この報告書は第三者による監査が必須です。

環境省は、2018年6月にRE100に公的機関としては世界で初めてアンバサダーとして参画し、RE100の取組の普及のほか、自らの官舎や施設での再エネ電気導入に向けた率先的な取組やその輪を広げていくために、2019年12月に「RE100達成のための行動計画」を策定しています。