【解説】バイオマスの種類は3つある!それぞれの特徴・活用法

バイオマスコラム

「バイオマスって何だろう。どんな種類があるのかな?」

あなたは「バイオマスとは何か」「バイオマスにはどんな種類があるのか」について知りたいのかもしれませんね。

バイオマスとは、動植物などの生物資源(=バイオ)の量(=マス)を意味する言葉です。

一般的には化石燃料を除いた「生物由来の有機性資源=バイオマス」と定義されています。

そしてバイオマスには、以下の通り3つの種類があります。

・廃棄物系バイオマス

・未利用バイオマス

・資源作物

本記事では、バイオマスの定義に加えて、バイオマスにはどのような種類があるかについても解説します。

本記事を読めば、バイオマスのことが理解できるようになります。

それでは早速、みていきましょう。

1.バイオマスとは?

「バイオマスの定義」は冒頭でお伝えした通りです。

バイオマスの定義
バイオマスとは、動植物などの生物資源(=バイオ)の量(=マス)を意味する言葉。
一般的には化石燃料を除いた「生物由来の有機性資源=バイオマス」と定義されている。

バイオマスは、掘削できる量に制限がある(=有限である)「化石燃料」と異なり、水・二酸化炭素・太陽光さえあれば、生み出されるものなので、「持続可能な資源」だと考えられています。

バイオマスは、固形燃料である「木質ペレット」や気体燃料である「メタン」、液体燃料の「バイオエタノール」などに作り変えられることで、「発電」や「貨物輸送」などの燃料として活用されています。

以下は、木、農業残渣、家畜の排せつ物、下水汚泥、食品廃棄物などの「バイオマス」が、エネルギーに変換され、燃料として活用されるまでの流れを説明したイメージです。

出典:NEDO再生可能エネルギー技術白書第2版 再生可能エネルギー普及拡大にむけて克服すべき課題と処方箋

ご覧の通り、バイオマスは、発電や輸送用の燃料として活用されるものなのです。

なお、廃棄物系のバイオマスの利活用について、より詳細に説明した図があるので、ご紹介します。以下の図をご覧ください。

出典:環境省「廃棄物系バイオマスの種類と利用用途

一つのバイオマスから、さまざまな燃料が作られていることがわかります。

例えば、生ごみ・食品廃棄物の場合、

・家畜飼料(=家畜の食べ物)

・たい肥(=農地などの土壌の改良)

・メタンガス(=発電に利用)

・エタノール(=クルマのガソリンに利用)

・固形燃料(=発電に利用)

に利活用されています。

2.バイオマスの種類と特徴

続きまして、「バイオマスの種類とその特徴」について解説します。

バイオマスの種類・特徴
・廃棄物系バイオマス
・未利用系バイオマス
・資源作物

一つずつ、みていきましょう。

2-1.廃棄物系バイオマス

1つ目が「廃棄物系バイオマス」です。

使い道がなく、そのまま捨てられる予定の廃棄物を用いたバイオマスです。

廃棄物系バイオマスの種類は以下の通りです。

廃棄物系バイオマス
・家畜排せつ物(ウシのふん尿、ブタのふん尿、ニワトリのふん尿など)
・食品廃棄物(加工食品、廃食用油など)
・廃棄紙
・パルプ工場廃液
・下水汚泥
・し尿汚泥
・建設発生材木
・製材工場等残材

2-2.未利用バイオマス

2つ目が「未利用バイオマス」です。

資源として切り出されたものの、利用の機会がなく廃棄される予定のバイオマスです。

未利用バイオマスの種類は以下の通りです。

未利用バイオマス
・稲わら
・麦わら
・もみがら
・林地残材

2-3.資源作物

3つ目が「資源作物」です。

バイオマス資源として利活用することを目的に栽培されたバイオマスです。

資源作物の種類は以下の通りです。

未利用バイオマス
・糖質資源(サトウキビ、テンサイなど)
・でんぷん資源(トウモロコシ、コメ、イモ類など)
・油脂資源(ナタネ、ダイズ、ラッカセイなど)
・ヤナギ
・ポプラ
・スイッチグラス

以上の通り、バイオマスには3種類あります。

一覧表でまとめましたので、ご覧ください。

◇バイオマスの種類

廃棄物系バイオマス・家畜排せつ物(ウシのふん尿、ブタのふん尿、ニワトリのふん尿など)
・食品廃棄物(加工食品、廃食用油など)
・廃棄紙
・パルプ工場廃液
・下水汚泥
・し尿汚泥
・建設発生木材
・製材工場等残材
未利用バイオマス・稲わら
・麦わら
・もみがら
・林地残材
資源作物・糖質資源(サトウキビ、テンサイなど)
・でんぷん資源(トウモロコシ、コメ、イモ類など)
・油脂資源(ナタネ、ダイズ、ラッカセイなど)
・ヤナギ
・ポプラ
・スイッチグラス

3.バイオマスの2つの活用方法

バイオマスにはどのような種類があるのか、理解できたのではないでしょうか。

続きまして、バイオマスには、どのような活用方法があるのか、解説します。

結論からいえば、バイオマスは大きく分けて、2通りの利用方法があります。

バイオマスの2つの活用方法
・マテリアル
・エネルギー

一つずつ、みていきましょう。

3-1.マテリアル

一つが「マテリアル」です。

マテリアルとは、バイオマスを「農業用のたい肥」や「家畜の飼料」などに変換したものです。

マテリアルの具体例は以下の通りです。

マテリアル
・たい肥
・飼料
・炭
・バイオマスプラスチック

3-2.エネルギー

もう一つが「エネルギー」です。

エネルギーとは、バイオマスを「発電のための木質固形燃料」や「輸送車のためのバイオディーゼル」などに変換したものです。

エネルギーの具体例は以下の通りです。

エネルギー
・木質固形燃料
・メタンガス
・バイオディーゼル
・バイオエタノール

以上2つが、バイオマスの利用方法です。

一覧表でまとめましたので、ご覧ください。

◇バイオマスの利用方法

マテリアル・たい肥
・飼料
・炭
・バイオマスプラスチック
エネルギー・木質固形燃料
・メタンガス
・バイオディーゼル
・バイオエタノール

4.まとめ

いかがでしたか。

「バイオマスとは何か」「バイオマスの種類」について、理解できたのではないでしょうか。

ここで、本記事の内容をまとめます。

●バイオマスとは?

・バイオマスとは、動植物などの生物資源(=バイオ)の量(=マス)を意味する言葉。

一般的には化石燃料を除いた「生物由来の有機性資源=バイオマス」と定義されている

・バイオマスは、固形燃料である「木質ペレット」や気体燃料である「メタン」、液体燃料の「バイオエタノール」などに作り変えられることで、「発電」や「貨物輸送」などの燃料として活用される

●バイオマスの種類と特徴

廃棄物系バイオマス・家畜排せつ物(ウシのふん尿、ブタのふん尿、ニワトリのふん尿など)
・食品廃棄物(加工食品、廃食用油など)
・廃棄紙
・パルプ工場廃液
・下水汚泥
・し尿汚泥
・建設発生木材
・製材工場等残材
未利用バイオマス・稲わら
・麦わら
・もみがら
・林地残材
資源作物・糖質資源(サトウキビ、テンサイなど)
・でんぷん資源(トウモロコシ、コメ、イモ類など)
・油脂資源(ナタネ、ダイズ、ラッカセイなど)
・ヤナギ
・ポプラ
・スイッチグラス

●バイオマスの2つの活用方法

マテリアル・たい肥
・飼料
・炭
・バイオマスプラスチック
エネルギー・木質固形燃料
・メタンガス
・バイオディーゼル
・バイオエタノール

本記事が「バイオマスの種類」について知りたい方のお力になりましたら幸いです。