【専門家解説】バイオマス発電所のDX化とは?収益UPの2つのアイデア

バイオマスコラム

「バイオマス発電所をDX化したい。何に取り組んだらいいのだろう?」

あなたは、バイオマス発電所のDX化に興味があるのではないでしょうか。

しかし、インターネットを検索しても「バイオマス発電所のDX化」に関する情報が見当たらないため、一歩を踏み出せずにいるのではないでしょうか。

結論からいえば、バイオマス発電所をDX化するアイデアは2つあります。

バイオマス発電所をDX化する2つのアイデア
①バイオマス発電機の「故障予知」を行う「AI/システム」を導入する
②「過不足のないバイオマス燃料の調達」を行う「AI/システム」を導入する

上記のアイデアにより

①不測の故障による「稼働停止の回避」

②バイオマス燃料の発電量の「最大化」

が可能になります。

その結果、中長期にわたって「バイオマス発電所の収益性が向上する」ため、おすすめです。

バイオマス発電所をDX化する2つのアイデア
①バイオマス発電機の「故障予知」を行う「AI/システム」を導入する
       
不測の故障による「稼働停止の回避」

②「過不足のないバイオマス燃料の調達」を行う「AI/システム」を導入する
       
バイオマス燃料の発電量の「最大化」
       
バイオマス発電所の収益性が向上する!

バイオマス発電所の事業継続においては「稼働停止の防止」と「エネルギー効率の高いバイオマス燃料の調達」を考えなければなりません。

そのソリューションの一つが、本記事で取り上げる「2つのDX化アイデア」なのです。

FIT制度終了後などは、DX化を行わないと、収益性を維持することがむずかしい場合もあるため、注意が必要です。

「バイオマス発電所をDX化したい」

「バイオマス発電所のDX化で『市場競争力』を高めたい!」

「バイオマス発電所のDX化で『収益性の向上』を図りたい」

といった思いがある方は、本記事を参考にしてみてください。

「バイオマス発電所の建設コンサルティング/バイオマス燃料の調達サポート」を専門で行っているYK partnersの代表・草野が、詳しく解説します。

それでは早速、みていきましょう。

1.バイオマス発電所をDX化する2つのアイデア

冒頭でご説明した通り、バイオマス発電所をDX化するアイデアは大きく分けて2つあります。

バイオマス発電所をDX化する2つのアイデア
①バイオマス発電機の「故障予知」を行う「AI/システム」を導入する
②「過不足のないバイオマス燃料の調達」を行う「AI/システム」を導入する

バイオマス発電所に、これらのアイデアを取り入れることで、収益性を向上させることが可能です。

どのようなアイデアなのか、一つずつ解説しましょう。

①バイオマス発電機の「故障予知」を行う「AI/システム」を導入する

一つ目のアイデアが「バイオマス発電機の故障予知」をAI/システム導入により実現するというものです。

いうまでもないことですが、バイオマス発電所は、発電機が稼働停止すれば、その間の売上はゼロになります。

従って「発電所の稼働を停止させない」ことが、何よりも重要なポイントです。

発電所の稼働を停止させないためには「バイオマス発電機の故障トラブル」を起こさないように「定期メンテナンスを行う」「高品質なバイオマス発電機を選ぶ」といったことが挙げられます。

これらに加えて実施したいのが、先述した「バイオマス発電機の故障予知」をAI/システム導入により実現するというDX化です。

AI/システム導入(24時間365日体制)を行えば、バイオマス発電機から発せられる不調を、わずかな「音の変化」で感知できます。

その結果「数日間の稼働停止」といった損失を防ぐことができます。

以上の通り、バイオマス発電所にとって、売上減の致命傷となりうる「稼働停止」を防ぐために、AI/システム導入を行うのが、一つ目のアイデアです。

②「過不足のないバイオマス燃料の調達」を行う「AI/システム」を導入する

バイオマス発電所では「過不足なくバイオマス燃料を調達すること」が、収益性の向上につながる有力なアイデアです。それを実現するにはAI/システム導入による「DX化」が切り札となります。

そもそも、なぜ「過不足のないバイオマス燃料の調達」が、収益性の向上につながるのでしょうか。

それは、バイオマス燃料は、時間の経過とともに劣化するため「燃料効率のよい新鮮なバイオマス燃料を、今、必要な量のみ調達すること」が、発電効率を高めるベストな方法だからです。

長期間、放置されたバイオマス燃料は「品質の劣化」によって、発電量が低下してしまいます。そのため、バイオマス燃料は、余剰在庫を抱えすぎないように管理する必要があるのです。

また、バイオマス発電所が稼働しているのに「燃料が足りない」となれば、損失になってしまいます。

従って、過不足のない燃料調達が、収益性を向上させるうえで、非常に重要なポイントになるのです。

「過不足のない燃料調達」を行うためには、燃料の「先入れ・先出し」(古いバイオマス燃料から使用する)を行う必要がありますが、通常の運用だと「どのバイオマス燃料が古くて、どれが新しいのか」の管理が行われていないケースが大半です。

そこで、バイオマス燃料の「熱量」「水分率」「入荷時期」「在庫量に対する必要量」などを管理して「過不足のないバイオマス燃料の調達」を実現するAI/システムが役立つことが考えられます。

実際に、大手の発電会社では、ボイラーに投入する燃料について、熱量効率を最大化するために「過不足のないバイオマス燃料の調達」を行うべく、AIシステムを導入しています。

バイオマス発電所が「AI導入」で管理していること
・本船動静管理
・港頭での在庫管理(複数種類の燃料在庫あり)
・発電所への燃料配送管理
・発電所での在庫管理

●DX化で「発電所の稼働状況に合わせた燃料輸送スケジュール」を最適化できる

上記に加えて、バイオマス燃料の保管場所から、バイオマス発電所に運ぶまでの「輸送距離」や「交通渋滞情報(渋滞する時間帯の予測など)」なども考慮に入れることで「発電所の稼働状況に合わせた燃料輸送スケジュール」も組めるだろうと、私は推測しています。

「過不足のないバイオマス燃料の調達」の精度を高める一手になるでしょう。

●国産のバイオマス燃料は「季節・天気などの変動」も考慮に入れたAI/システムが必要

国産のバイオマス燃料の場合には「季節」や「天気」なども、じゅうぶんに考慮しないと、過不足のないバイオマス燃料の調達が実現しないだろうと考えられます。

例えば、冬場や豪雨が続く際には、PKSなどの熱量の高いバイオマス燃料を調達するのが、一つの考えです。その必要量の予測に、AIを用いるのです。

そのため、国産のバイオマス燃料の場合には、「天気予報(暑さ・寒さ・雨等の情報)」も、調達量に関わる変数として考慮したAIを開発するのが望ましいと考えられます。

●他社のバイオマス発電所と「在庫管理システム」を共有するのも手

その他のアイデアとしては、他社のバイオマス発電所と「在庫管理システム」を共有することが考えられます。

燃料調達に関する情報を、他社と共有することで「バイオマス燃料の在庫切れリスクの回避」や「過剰調達してしまった燃料の転売」などが可能になることで「過不足のない燃料調達」に役立つだろうと考えられます。

以上の通り、バイオマス発電所のDX化を行うアイデアを2つご紹介しました。

バイオマス発電所をDX化する2つのアイデア
①バイオマス発電機の「故障予知」を行う「AI/システム」を導入する
②「過不足のないバイオマス燃料の調達」を行う「AI/システム」を導入する

適切なDX化を行えば、バイオマス発電所の収益性はもっと向上できるものと、私は考えています。

2.まとめ

いかがでしたか。

「バイオマス発電所のDX化」について、理解が深まりましたでしょうか。

バイオマス発電所をDX化する2つのアイデア
①バイオマス発電機の「故障予知」を行う「AI/システム」を導入する
②「過不足のないバイオマス燃料の調達」を行う「AI/システム」を導入する

本記事が、バイオマス発電所のDX化を検討している方の参考になりましたら幸いです。

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代表・草野は、バイオマス発電所のコンサルタントとして、これまでさまざまな開発事業に携わってきました。2017年からは、株式会社レノバ(東証プライム市場に上場している環境・エネルギー関連企業)で、エグゼクティブ・アドバイザーも務めております。

とりわけ「バイオマス燃料(木質ペレット)の安定調達」に関するサポートが一番の「得意分野」です。

これまで、数多くのバイオマス発電所さまに向けて、ニーズに合致した燃料供給事業者をご紹介してまいりました。

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