こんにちは、バイオマスの専門家・草野です。
バイオマス市場は今、かつてない激動の中にあります。
世界最大の木質ペレット企業のEnviva(アメリカ)の倒産、ベトナムのFSC認証がらみでの不正問題などは、業界に激震を与えました。
その一方で、鉄鋼業界の脱炭素化の動きは気になるところですし、ブラックペレットが業界に与える影響や航空業界におけるSAFの活用など、バイオマス業界にとってポジティブなニュースもあります。
そうしたなかで、
「最新のリアルな動向について知りたいけれど、情報を得る手段がない……」
と嘆く方も少なくないと思います。
そんな方に、是非ともおすすめしたいのが、世界各地で開催される「バイオマス関連の国際カンファレンス」です。
バイオマス関連の国際カンファレンスは、バイオマス業界に関する最新情報が発表される場です。
それと同時に、業界のキーマンたちとの情報交換ができる場でもあるため、リアルな情報を得たい方にとって役立つこと間違いなしです。
今回は、私が注目する5つのカンファレンスを一挙にご紹介します。
| 【大注目!バイオマス関連の国際カンファレンス5選】 |
| ・BIOINNOVASIA ・Biomass&BioEnergy ASIA ・Argus biomass Asia conference in Singapore ・Wood Pellet Association of Canada (WPAC) ・United States Industrial Pellet Association conference (USIPA) |
情報の質がビジネスの成否を分ける今こそ、一歩先を行くための航海図として、本コラムの情報を参考にしてみてください。
1.そもそも、バイオマス関連の国際カンファレンスって何?
「国際カンファレンス」と聞くと、国と国の代表が難しい顔をして話し合うような、堅苦しい「国際会議」をイメージされるかもしれませんね。
ですが、バイオマス業界における国際カンファレンスは、もっと「前向きでビジネスライクな交流の場」です。
世界各国の企業、技術者、政府関係者、そして投資家などが一堂に会し、
「今の業界のトレンドは?」
「新しいバイオマス技術はどこまで進んでいる?」
「これからどの国でビジネスチャンスがある?」
といった情報を交換し合う、「世界規模のビジネス展示会+勉強会」のようなものだと考えていただければ分かりやすいかと思います。
基本的には、以下のような構成で成り立っています。
| ・セッション(講演・討論): 専門家がステージで最新情報を発表します。 ・ネットワーキング(交流): 参加者同士が自由に名刺交換や商談をすることができます。 ・展示(エキシビション): 企業のブースが並び、最新の燃料サンプルや設備を実際に見れます。 |
最新の情報についてもキャッチアップできるので、とても楽しいと思います。
2.大注目のバイオマス関連の国際カンファレンス5選!
1.BIOINNOVASIA

出典:BIOINNOVASIA
・概要
アジア最大級のバイオマス関連カンファレンスです。SAF(持続可能な航空燃料)、バイオエネルギーおよび脱炭素化ソリューション、BECCS、アジア太平洋地域のバイオマス燃料に関する政策・規制・市場動向など、バイオマス業界において核心となるテーマを幅広く取り扱います。
登壇者が充実しており、最新の情報についても収集できるため、「バイオマス関連の国際カンファレンスに参加してみたい!」という方は、まずこちらに参加してみることをおすすめします。
【参考URL】
・魅力
最大の魅力は、日本・アジア・欧米の主要プレーヤーが一堂に会する最大規模のバイオマスカンファレンスであることです。
業界のキーパーソンと直接交流し、「一次情報」を取得できる点で、参加する価値が非常に高いです。業界の最新トレンドをキャッチアップしたい方にたいへんおすすめです。
2025年のイベントでは、400名の業界リーダー、60名以上の世界的な講演者、20社の主要スポンサーおよび出展者が参加するなど、大きな盛り上がりを見せました。2026年も同等規模での開催を予定しています。
・参加料金
過去に私が参加した際には、3日間のカンファレンスすべての会議に出席できるパスで、30万円くらいだったと思います。興味がある方は、詳細などについてお伝えできるかと思いますので、当社までお問い合わせください。
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2.Biomass&BioEnergy ASIA

・概要
東南アジアにおけるバイオマス資源の可能性と、カーボンニュートラル達成に向けた役割について探求するカンファレンスです。
2025年のカンファレンスには、林業、農業、貿易、サステナビリティなどの分野から、300名以上の参加者が集まりました。会場には多くのベトナム人サプライヤーと日本の業界関係者が集まります。
過去には、出光興産、丸紅、三井物産、住友林業、豊田通商、レノバなど、日本の主要企業も参加しています。名だたる企業がこぞって参加する点からも、本カンファレンスの「収穫度の高さ」がうかがいしれますね。
【参考URL】
・魅力
日本へのバイオマス燃料の最大供給国の一つである「ベトナム」で開催されるため、実務的な打ち合わせが可能となるでしょう。それが、このカンファレンスの最大の魅力です。
ベトナム産のバイオマス燃料について、日本側が現在抱えている品質問題や現場の困りごとを、複数のサプライヤーと膝を突き合わせて、情報交換することが可能です。こちらのカンファレンスも大変おすすめです。
・参加料金
過去に私が参加した際には、20万円くらいだったと思います。興味がある方は、詳細などについてお伝えできるかと思いますので、当社までお問い合わせください。
3.Argus biomass Asia conference in Singapore

出典:Argus biomass Asia conference in Singapore
・概要
グローバルに活躍するエネルギー情報メディア「アーガスメディア」が主催するアジア最大級のバイオマス関連カンファレンスです。
アジア全域のバイオマスサプライヤーに加え、新たに燃料ビジネスへの参入を検討している企業が多く集まるのが特徴です。開催地のシンガポールは、アジア各国からのアクセスが良く、非常に活気のあるカンファレンスです。
【参考URL】
Argus biomass Asia conference in Singapore
・魅力
このカンファレンスの最大の魅力は、「実務的な打ち合わせ」が非常にスムーズに行える点です。2026年のカンファレンスでは、200名を超える上級リーダーが集まりました。そのため、日本側が現在抱えている品質問題や現場の困りごとについて、直接複数のアジアのサプライヤーと膝を突き合わせて情報交換をすることが可能です。
パームバイオマス、BECCS、SAF、POME(パーム油廃液)、バイオマス電池など、脱炭素化に関するテーマも幅広く取り扱いました。過去に参加した日本企業は、クラレ、三菱重工業、住友商事(マレーシア)などが挙げられます。
・参加料金
過去に私が参加した際には、20万円くらいだったと思います。興味がある方は、詳細などについてお伝えできるかと思いますので、当社までお問い合わせください。
4.Wood Pellet Association of Canada (WPAC)

出典:Wood Pellet Association of Canada (WPAC)
・概要
カナダで開催される最大規模の木質ペレット関連のカンファレンスです。カナダだけでなく、アメリカやアジアから数百人の専門家が集まり、バイオマス業界の重要テーマについて議論を交わします。
国際的なバイオマス市場の動向や最新の研究開発、さらに革新的な製造技術をもつ企業が参加するなど、カナダの木質ペレット産業のすべてが詰まったカンファレンスです。カナダからのバイオマス調達を考えている人は、参加する価値があると思います。
【参考URL】
Wood Pellet Association of Canada (WPAC)
・魅力
参加したことはないため、詳細について語れないのですが、カナダはウッドペレットが誕生した国です。そうしたなかで、こちらは老舗のカンファレンスであり、欧米の業界関係者が集まると聞いていますので、参考になる情報が得られるのではと思います。
とりわけ、カナダやヨーロッパは、現在日本のバイオマス業界が抱えている問題(サイロ火災、ペレット品質問題など)を解決してきた先駆者なので、学ぶべき点が多いのではと思います。
・参加料金
商業的要素が少ないカンファレンスなので、恐らく安いと思います。興味がある方は、詳細などについてお伝えできるかと思いますので、当社までお問い合わせください。
5.United States Industrial Pellet Association conference (USIPA)

出典:United States Industrial Pellet Association conference (USIPA)
・概要
北米のサプライヤーを中心に、日本や欧州の主要プレーヤーがマイアミに集う大型カンファレンスです。
かつては世界のバイオマス市場を牽引する中心的な存在でしたが、現在は大きな転換期にあります。業界最大手Envivaの破綻や、ポストコロナのインフレによるコスト上昇で、北米バイオマスの競争力には陰りが見えており、以前のような活況から一変しているように思います。
【参考URL】
United States Industrial Pellet Association conference (USIPA)
・魅力
このカンファレンスに参加することで、「北米バイオマスの現在地」についての情報を得られます。アメリカ国内のインフレの影響や、トランプ政権の再エネに対する消極的な姿勢が市場にどう波及しているかなどについて、リアルな情報を得られるでしょう。
カンファレンスには、ヨーロッパの業界人も多く集まるため、彼らとの交流を通じて大西洋側の需給動向を多角的に把握することもできるでしょう。
・参加料金
20万円前後だったと思います。アメリカ(フロリダ州・マイアミ)での開催ということで、日本からは地理的に離れているため、アジア諸国で開催されるカンファレンスよりも、飛行機代やホテル代が大きくかさみます。
相応の出費は覚悟しなければならないため、アメリカへの出張と絡めて参加するのが現実的だと思います。
2.まとめ
本コラムでは、世界の主要なバイオマス関連カンファレンスを5つご紹介しました。
なかでも私の一押しは、業界全体の動きを俯瞰できる「BIOINNOVASIA」と、調達の実務に直結する「Biomass & BioEnergy ASIA」です。
「まずは現場の空気感に触れてみたい!」という方は、いずれかへの参加を検討してみてはいかがでしょうか。
次回のコラムでは、バイオマス関連の国際カンファレンスに関する「よくある質問」について、Q&A形式でお答えします。
「参加して得られる具体的なメリットは?」「英語力や参加時の注意点は?」など、初めての方が抱きがちな不安や疑問にお答えします。
今日はここまで。
また次回のバイオマスコラムでお会いしましょう!