日本における再エネ事情 注目の新概念「ライフサイクルGHG」

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バイオマスが地球温暖化防止策に有効と考えられているのは、燃焼時に「カーボンニュートラル」であるからです。しかし、実際には燃料の製造や輸送時には化石燃料が使用されており、温室効果ガス(=GHG、Green House Gas)が発生しています。そのため、2020年現在、PKSの持続可能性第三者認証に続き、木質ペレットやチップなどについても同様の新しい評価軸を求める動きが出てきています。それが、「ライフサイクルGHG」です。

発電に至る全過程で発生するGHGを評価

ライフサイクルGHGとは、製品やサービスの生産から消費までのライフサイクル全体の中で排出されるGHGの量を指します。つまり、バイオマスの発生場所・栽培・伐採搬出・燃料への加工・国内輸送・保管から船積み・会場輸送・発電所までの全過程におけるGHG排出量を見ていくことになります。

たとえば、バイオマスの栽培時に熱帯林の伐採や泥炭地の開発などを行うと、それらの土地に本来固定されていたCO2 が大気中に放出されてライフサイクルGHG排出量は増大します(バイオマス持続可能性ワーキンググループ資料の試算によれば、土地利用変化の無い場合と比べて、熱帯林開発を行う場合では約5倍・泥炭地開発を行う場合では約139倍)。

木質バイオマスにもGHG評価の厳しい目

バイオマス燃料のライフサイクルGHG排出量試算(経産省バイオマス持続可能性ワーキンググループ第1回資料)出典:バイオマス白書2019

2020年現在、先行する欧州の枠組みを参考にしつつ、日本独自の、バイオマスのGHGライフサイクルアセスメント(=LCA、Life Cycle Assessment)手法について、経産省のバイオマス持続可能性ワーキンググループにて議論が進行中です。

上記グラフは、同WG(第1回)における検討用の試算データです。

これを見ると、木質チップも北米東海岸由来のものはGHG排出量がLNG(天然ガス)と同等の値を示しています。GHGの値は輸送距離に比例して大きくなるためです。

日本版バイオマスのGHGLCAがどのような内容(算定項目・算定法)になるのか気になるところですが、いずれにせよ、今後は木質バイオマスもライフサイクルGHGによって持続可能性が厳しくチェックされていくことになりそうです。