「バイオマス発電所の事業を開始したいけれど、FITの終了後も収益を上げ続けられるのか、不安だな。事業継続するためのポイントを知っておきたい」
あなたは、バイオマス発電所の経営に興味があるのではないでしょうか。
しかし、固定価格による買取が終了するFIT終了後の事業継続について、不安を抱いているのではないでしょうか。
例えば、2000kw未満の発電所が「未利用材」を燃料に使用した場合の買取価格は「40円/kWh」という高い買取価格が提示されています。しかし、FIT終了後は、市場価格での取引になるため、収益性が悪化するのではないかといった懸念が挙げられます。
経済産業省「2022年度以降の買取価格」
インターネットを検索しても「FTI終了後の事業継続」に関する情報が見当たらないため、事業に踏み出すか、迷っている方もいるかもしれませんね。
結論からいえば、FITが終了する20年後も、バイオマス発電事業で、収益を上げ続けることが可能です。ただし、以下に挙げる3つのポイントを押さえることが条件です。
FIT終了後もバイオマス発電所が収益を上げ続ける3つの方法 |
①「安価な燃料」の供給先を国内外から確保する ②「発電効率」のよいバイオマス燃料を確保する ③日頃からバイオマス発電設備のメンテナンスを行う |
上記のポイントを押さえないと、FITの終了後は、収益を上げることがむずかしくなるため、注意が必要です。
「バイオマス発電事業をスタートさせたいが、FIT終了後の収益性が心配だ」
「バイオマス発電所の経営で、失敗したくない」
といった思いがある方は、本記事を参考にしてみてください。
それでは早速、みていきましょう。
目次
1.FIT終了後もバイオマス発電所が収益を上げ続ける3つの方法
冒頭でご説明した通り、バイオマス発電所がFITの終了後も、収益を上げ続けるためには、3つのポイントを押さえることが大切です。
FIT終了後もバイオマス発電所が収益を上げ続ける3つの方法 |
①「安価な燃料」の供給先を国内外から確保する ②「発電効率」のよいバイオマス燃料を確保する ③日頃からバイオマス発電設備のメンテナンスを行う |
どういうことなのか、一つずつみていきましょう。
①「安価な燃料」の供給先を国内外から確保する
事業を継続するためには「安い燃料の確保」が絶対条件になることが予想されます。安価な燃料を確保するには、以下のような地域から、バイオ燃料を確保するのがポイントです。
・アジア諸国
・北アメリカの太平洋側
・中央アメリカ
・南アメリカの太平洋側
現状ではむずかしいですが、ロシア沿海州からバイオ燃料を仕入れることも視野に入れるべきです。
また、林地残材、製材廃材、家具工場廃材、農業残渣など、あらゆる廃材をバイオ燃料として有効活用することも必要になるでしょう。
いずれにせよ、継続的に「安価な燃料」を提供してくれる供給先を複数確保することが、バイオマス発電所の事業継続に欠かせない視点です。
②「発電効率」のよいバイオマス燃料を確保する
2つ目のポイントが、発電効率のよいバイオマス燃料の確保です。
つまり、容積当たりの発電量が多いバイオマス燃料を用いるということです。
一例としては「炭化バイオマス」が挙げられます。
炭化バイオマスとは、「バイオマス資源(木質ペレット、食品廃棄物、家畜糞尿、下水汚泥)」を、加熱・乾燥処理することで生成された「高純度の固形炭素」のことです。
炭化バイオマスの場合、水分含有量が少ないため、発電効率が高いです。
また、加熱・乾燥処理によって、容積が小さくなるため、輸送コストが削減できます。
戸外貯蔵が可能になるため、倉庫建設費を圧縮できます。
このように、炭化バイオマスは、金銭的なメリットが多い燃料として注目を集めています。
炭化バイオマスのような新燃料を積極的に活用することで、高収益化することが大切です。
炭化バイオマスに関する記事はこちら |
【解説】炭化バイオマスとは?活用するメリット・注意点について |
③日頃からバイオマス発電設備のメンテナンスを行う
電気を生み出すバイオマス発電設備の定期メンテナンスを、しっかりと行うことも重要なポイントです。
なぜならば、発電設備の不具合によって、発電できなくなれば、収益が得られなくなってしまうからです。
メンテナンス費用は「必要経費」と考え、定期的に実施することを心がけてください。
以上の3点が、FIT終了後もバイオマス発電事業で収益を上げ続けるために押さえたいポイントです。
とくに「安価な燃料」や「燃料効率の良いバイオマス燃料の確保」は、20年後を見据えて、今からでも、少しずつ準備しておくと安心でしょう。
「バイオマス燃料を効果的に調達する方法」について知りたい方は、以下の記事もあわせて、チェックしてみてください。
バイオマス発電所において「安価に燃料調達する方法」に関する記事はこちら |
バイオマス発電の燃料調達が難しい理由と安定調達する2つの方法を解説 |
また、「安価な燃料の調達先を知りたい」といった要望がある場合には、草野までお問い合わせください。
「YK Partners」について |
・YK Partners代表・草野 善信(クサノ ヨシノブ)からのメッセージ ・YK Partnersの事業概要 ・YK Partnersへのお問い合わせ |
2.そもそも、バイオマス発電所は収益性がよいのか?
これからバイオマス発電事業をスタートする場合、
「そもそも、バイオマス発電所の収益性はよいのか?」についても、疑問に思うのではないでしょうか。
結論からいえば、バイオマス発電所は、収益性が高い事業だといえます。
なぜならば、バイオマス発電所にかかわる初期投資は「20億円程度」ですが、一定の売上高を上げられるよう、3つの条件を満たせば、8年程度で初期費用を回収できる可能性があるからです。
ただし、収益性を高めるためには、一定の条件があります。
3つのポイントを押さえる必要があることを覚えておきましょう。
バイオマス発電所の収益性を高めるために押さえたい3つのポイント |
・小型のバイオマス発電所(2000kW以下など)を経営する ・「バイオ燃料」を安定的に供給してくれる「燃料サプライヤー」を確保する ・信頼性のある高品質なバイオマス発電設備を導入して「発電効率」を高める |
3つのポイントの詳細は、以下の記事で解説しています。
興味がある場合は、チェックしてみてください。
バイオマス発電所の「収益性」に関する記事はこちら |
【専門家解説】バイオマス発電所の収益性は?初期費用回収は最短8年 |
3.まとめ
いかがでしたか。
FIT終了後もバイオマス発電所の収益を維持させる方法について、理解が深まりましたでしょうか。
最後に、本記事の内容をまとめます。
●FIT終了後もバイオマス発電所が収益を上げ続ける方法3つ
①「安価な燃料」の供給先を国内外から確保する
②「発電効率」のよいバイオマス燃料を確保する
③日頃からバイオマス発電設備のメンテナンスを行う
●そもそも、バイオマス発電所は収益性がよいのか?
バイオマス発電所にかかわる初期投資は「20億円程度」ですが、一定の売上高を上げられるよう、3つの条件を満たせば、8年程度で初期費用を回収できる可能性があるため、高収益だといえる。ただし、3つの条件を押さえることが大切
・小型のバイオマス発電所(2000kW以下など)を経営する
・「バイオ燃料」を安定的に供給してくれる「燃料サプライヤー」を確保する
・信頼性のある高品質なバイオマス発電設備を導入して「発電効率」を高める
本記事が、FIT終了後のバイオマス発電事業について知りたい方のお力になりましたら幸いです。
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代表・草野は、バイオマス発電所のコンサルタントとして、これまでさまざまな開発事業に携わってきました。2017年からは、株式会社レノバ(東証プライム市場に上場している環境・エネルギー関連企業)で、エグゼクティブ・アドバイザーも務めております。
とりわけ「バイオマス燃料(木質ペレット)の安定調達」に関するサポートが一番の「得意分野」です。
これまで、数多くのバイオマス発電所さまに向けて、ニーズに合致した燃料供給事業者をご紹介してまいりました。
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